テープで髭を抜くことは「できるものとできないものがある」があります。
ワックスシートのような専用品なら根元から引き抜けますが、普通の布テープやセロテープでは効果はほぼ期待できません。そして種類を問わず、顔の皮膚への刺激は決して小さくないので、やり方次第では肌荒れや毛嚢炎につながることもあります。
「テープで髭が抜けるらしい」と聞いて、試そうとしているところですか
SNSや動画でよく見かけますよね、テープを貼って一気に剥がして「ブワッ」と抜けるやつ。あれを見て「自分もやってみようかな」と思った人、けっこう多いと思います。
あるいは、毎日の髭剃りが面倒で、「どうせなら根元から抜いてしばらく生えてこないようにしたい」と考えている人もいるかもしれません。毛抜きで一本ずつ抜くのはしんどいし、脱毛クリニックはまだハードルが高い。そういう状況でテープが目に入った、というパターンです。
気持ちはすごくわかります。ただ、使うテープの種類を間違えると「全然抜けなかった」か「肌が荒れた」のどちらかになりやすいので、先に整理しておきましょう。
テープの種類によって、髭が「抜けるか抜けないか」がまったく違う
一口に「テープ」といっても、文房具のセロテープとワックスシートでは、そもそもの仕組みが全然違います。どのテープをイメージしているかで、話がまるで変わってくるんですよね。
| テープの種類 | 髭への効果 | 肌への刺激 | 備考 |
|---|---|---|---|
| フェイシャルワックスシート | ◎ 根元から引き抜ける | 中〜高 | 顔用に設計されたものを選ぶこと |
| ボディ用ワックスシート | ○ 抜けるが顔向きではない | 高 | 粘着力が強すぎて顔には刺激が大きい |
| 布テープ・ガムテープ | △ 短い毛は一部抜けることも | 高 | 粘着剤が残りやすい、肌荒れしやすい |
| セロテープ・マスキングテープ | ✕ ほぼ抜けない | 低〜中 | 粘着力が弱く、引き抜く力が足りない |
SNSで流行っている「テープ髭抜き」の多くは、ワックスシートか、粘着力の強い布テープを使っているパターンです。セロテープで試してみたら全然抜けなかった、という人がいるとすれば、そもそも仕組みが違うので当然の結果です。
顔の皮膚にテープを貼って剥がすとき、実は何が起きているのか
テープで髭を抜くとき、毛が抜けているのと同時に、皮膚の表面にも相当な摩擦と引っ張り力がかかっています。腕や脚なら多少強引でも耐えられる肌も、顔の皮膚は体のなかで最も薄い部位の一つなので、同じようにはいきません。
具体的にどんなリスクがあるかというと、こんな感じです。
| 起きやすいこと | どんな状態か |
|---|---|
| 赤みと炎症 | 剥がした直後から数時間、赤くなる。繰り返すと長引きやすい |
| 毛嚢炎 | 毛根周辺に細菌が入り込み、ニキビのような炎症が起きる |
| 埋もれ毛 | 毛が皮膚の中に埋まって出てこなくなる。黒ずみや炎症の原因に |
| 色素沈着 | 繰り返しの摩擦刺激で、肌が黒ずんでいくことがある |
「1回くらい大丈夫でしょ」と思う気持ちもわかるのですが、毛嚢炎は運悪く起きると跡が残ることもあるので、少なくとも肌が荒れているときや乾燥が強い時期には避けたほうが無難です。不安がある場合は皮膚科に相談してみてください。
ワックスシートを髭に使うなら、失敗しないための最低限の準備
「それでもやってみたい」という人向けに、フェイシャル用ワックスシートを使う場合の話をしておきます。ポイントをおさえずにやると、毛が抜けないか、肌荒れするかのどちらかになりやすいんです。
毛の長さは2〜5mmが目安です。剃りたてや短すぎる状態ではワックスが毛に絡まらず、うまく引き抜けません。逆に長すぎると皮膚への負担が増します。
剥がす方向は「毛の生えている向きと逆」に素早く。ゆっくり剥がすのは逆効果です。ためらわず、でも無理な角度にならないように一気に剥がします。
使用後はすぐに冷やして保湿。ワックス後の肌は摩擦で熱を持っているので、清潔なタオルで冷やし、刺激の少ない保湿剤を使います。アルコール入りの化粧水やレチノール系のスキンケアは当日は避けてください。
同じ箇所に2回以上貼り直すのはNG。1回で抜けなかった毛を追いかけてもう一度貼る、というのは肌へのダメージが倍になるだけです。
肌が荒れているとき、日焼け後、生理前後で肌が敏感になっているときは、そもそも使わないほうが安全です。
「テープで抜き続ければ髭が薄くなる」は正直なところどうなのか
毛抜き系の処理を長期間繰り返していると、毛が細くなっていくことは実際に起きます。毛根が繰り返しのダメージを受けて、毛を作る力が弱まるためです。
ただし、これは「薄くなる」に近い変化ではあっても、永久脱毛と呼べるものではありません。毛根が完全に死滅するわけではなく、ある程度の期間が経てばまた生えてきます。
しかも、毛根にダメージを与え続けることで埋もれ毛が増えたり、毛嚢炎を繰り返したりするリスクもあります。「地道にテープで薄くしていこう」という使い方は、肌への代償が思ったより大きくなりやすいので、あまりおすすめはできません。
「手軽にできる方法で、できるだけ髭を楽にしたい」という目的なら、除毛クリームや家庭用光脱毛器のほうが肌への刺激をコントロールしやすいことも多いです。
テープを選ぶ前に、一度だけ目的を整理してみてほしいこと
テープで髭を抜くことに興味を持った人は、だいたい次のどちらかだと思います。
「今日だけ、一時的に髭がない状態にしたい」のか、「継続的に髭を減らしていきたい」のか。
前者なら、フェイシャルワックスシートを正しく使えば目的は達成できます。ただし肌へのリスクは理解した上で、頻繁には使わないほうがいいです。
後者なら、テープで髭を抜くことを繰り返すより、除毛クリームや家庭用脱毛器、あるいはクリニックの医療脱毛のほうが、長い目で見ると肌にも費用にも無駄が少なくなる可能性が高いです。
「テープで髭を抜く」こと自体を否定するわけではありません。ただ、何のためにやるのかによって、向いている方法が変わってきます。今の自分がどちらを求めているか、一度だけ考えてみてから選ぶと、余計な失敗を防ぎやすくなりますよ。

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