プロテインで髭は濃くなる?「飲み始めてから濃くなった気がする」人が見落としていること

プロテインで髭が濃くなる 髭を濃くする

プロテインそのものが髭を濃くすることはありません。プロテインは不足しがちなタンパク質を補うための栄養補助食品で、髭を濃くするホルモンを増やす飲み物ではないからです。それでも「飲み始めてから濃くなった気がする」場合、原因はたいていプロテインではなく別のところにあります。

この記事では、その”別のところ”が何なのかと、本当に注意したほうがいいサプリの見分け方を整理します。なお毛の濃さは体質による差がかなり大きいので、その前提で読んでみてください。

プロテインで髭が濃くならないのは、髭を濃くする”スイッチ”がタンパク質じゃないからです

まず押さえておきたいのは、髭の濃さを決めているのはタンパク質ではなくホルモンだという点です。髭や体毛を太く濃くする方向に働くのは、テストステロンが体内の「5αリダクターゼ」という酵素と結びついてできるDHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンです。そして、このDHTにどれくらい反応しやすいかは、生まれ持った体質の影響が大きいと考えられています。

プロテインは、このホルモンの流れのどこにも直接タッチしません。あくまで筋肉や肌や髪の材料になるアミノ酸のかたまりであって、ホルモンを増やすスイッチではないんですね。だから「タンパク質をたくさん摂ったからDHTが増えて髭が濃くなる」という道筋は、そもそも成立していません。髭の濃さとテストステロンの関係そのものについては、ヒゲが濃い理由はテストステロンにありで詳しく整理しているので、仕組みから知りたい方はそちらもどうぞ。

「プロテインでテストステロンが増えて濃くなる」は、どこで話がズレているのか

この噂は「プロテイン → テストステロンが増える → 髭が濃くなる」という3段構えになっていますが、ズレているのは最初の1段目です。プロテインを飲んでもテストステロンが目立って増えるわけではありません。

むしろ、ホエイプロテインを使ったある研究では、筋トレと組み合わせてもテストステロンが増えるどころか、わずかに下がったという結果も報告されています。一方で筋肉量を増やす効果はしっかり確認されているので、「体づくりには役立つが、ホルモンを吊り上げる飲み物ではない」というのが実態に近い理解です。

ソイ(大豆)プロテインについては逆の心配、つまり「イソフラボンで男性ホルモンが下がって髭が薄くなるのでは」という声もあります。これも通常の量なら過度な心配は不要です。複数の研究をまとめた分析では、大豆タンパクを摂ってもテストステロンに有意な影響は見られなかったと報告されています。ごく一部の高用量の実験で小さな低下が出た例はありますが、市販のソイプロテインを1杯飲む程度では、そこまでの量には届きません。

プロテインの種類 ホルモンへの影響 髭への影響
ホエイ・カゼイン(牛乳由来) テストステロンを増やす働きは確認されていない 直接濃くする根拠はない
ソイ(大豆由来) 通常量ならテストステロンへの有意な影響は見られない 薄くも濃くもしないと考えてよい

つまり、種類を変えても「髭を濃くする/薄くする」という目的では、プロテインは有効なレバーになりません。

それでも「飲み始めてから濃くなった」と感じるなら、疑うべきは粉より同時に始めた筋トレのほうです

体感として「濃くなった」と感じる人が一定数いるのは事実です。ただ、ここで見落としがちなのが、プロテインを飲み始める人の多くは、同じ時期に筋トレも始めているという点なんですね。

負荷の高い筋トレをすると、テストステロンが一時的に分泌されます。だから体感の変化があったとしても、原因として先に疑うべきはプロテインという「粉」ではなく、運動そのもの、そして年齢や体質です。10代後半から20代にかけては、そもそも髭が自然に濃くなっていく時期でもあるので、「プロテインのせい」と「たまたまその年齢だった」を切り分けるのは、体感だけだと難しいところがあります。

ちなみに、脱毛と筋トレを両立している人は、飲み物より施術後のタイミングのほうが肌トラブルに直結します。こちらはヒゲ脱毛の後に筋トレはいつからいいのかで解説しているので、ジム通いの方は合わせて確認しておくと安心です。

本当に気をつけたいのは「プロテイン」ではなく「テストステロンブースター」のほうです

心配の矛先を、プロテインからずらしておきたい相手があります。テストステロンブースターと呼ばれるサプリや、アナボリックステロイドの類です。これらはプロテインとは目的からして別物で、ホルモンに働きかけることをうたっています。

何をするものか ホルモンへの影響 髭・体毛への影響
プロテイン 不足するタンパク質を補う栄養補助 ほぼなし(材料であってスイッチではない) 直接の影響は確認されていない
テストステロンブースター テストステロンを高めるとうたうサプリ 成分により影響しうる(効果には差が大きい) 理論上は濃くなる方向もありうるが個人差が大きい
アナボリックステロイド 人工的な男性ホルモン製剤 強く影響する 体毛が濃くなる報告あり/医師の管理が前提

「筋トレ系のサプリを飲み始めてから毛が濃くなった」と感じる人がいるとしたら、犯人はプロテインではなく、こちら側である可能性のほうが高いです。プロテインは安心して飲んでいい一方で、ホルモンをいじるタイプのサプリは成分と量をちゃんと見て、不安があれば医師に相談してから使うのが無難です。

「濃くなったからプロテインをやめる」では元に戻らない理由

ここは誤解が多いので、はっきり書いておきます。仮にプロテインが髭に影響していたとしても(実際には影響しませんが)、やめたところで一度濃くなった髭が薄く戻ることは期待できません。

毛は、毛穴の中の毛包が一度しっかり育ってしまうと、その太さや濃さは基本的に維持される方向に働きます。ホルモンの状況が多少変わっても、すでに育った毛が細く戻っていくわけではないんですね。だから「食生活をいじって髭を薄くする」という発想自体が、そもそも狙ったところに効きません。

これは、髭が濃くなる原因をめぐる噂全般に共通する落とし穴です。「射精すると髭が濃くなる」という有名な噂も、検証してみると同じ構造をしています。気になる方は射精すると髭が濃くなるって本当?も読み比べてみると、「原因探しの向きがそもそもズレている」というパターンが見えてくるはずです。

髭の濃さで悩むなら、プロテインより先に確かめたいこと

まとめると、プロテインは飲んでも髭を濃くしませんし、逆に濃い髭を薄くする手段にもなりません。体づくりのために飲みたいなら、髭のことは気にせず続けて大丈夫です。「濃くしたくないから」という理由でプロテインを避けるのは、効果のない我慢になってしまいます。

そのうえで、本当に髭の濃さそのものを何とかしたいのであれば、レバーになるのは食事やサプリではなく、剃り方の見直しか、医療脱毛のような毛そのものへのアプローチです。逆に「もっと髭を生やしたい」という方向でも、プロテインで生えるわけではないので、そこは分けて考えたほうがいいですね。

どちらにしても、毛の濃さや反応には体質の差がかなりあります。今の状態が気になっていて、脱毛など具体的な対処を検討する段階なら、自己判断で進めるより、一度クリニックのカウンセリングで自分の毛質を見てもらうと、方針が決めやすくなります。

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