髭脱毛を6週間おきに受けるのは短すぎません。海外の比較データでは、間隔を短くしたグループのほうが毛の減り方は良好でした。ヒゲは毛穴ごとに生え変わるタイミングがバラバラなので、「毛周期にピタリ合わせないと1回分が無駄になる」と言われるほどタイミングはシビアではないんです。
ただし、6週で行くかどうかを日数だけで決めると空振りする場面はあります。見るべきはカレンダーより鏡のほうです。
6週間は、クリニックが案内する幅のちょうど真ん中にある
まず位置関係をはっきりさせておきます。6週間は、どこかのクリニックだけが言っている特殊なペースではなく、案内される範囲の中央あたりです。
| 案内の例 | 推奨される間隔 |
|---|---|
| ゴリラクリニック(ヒゲ) | 平均6〜12週間 |
| 渋谷美容外科クリニック(ヒゲ) | 4〜8週間 |
| メンズエミナル(2回目の目安) | 4〜6週間 |
| 腕・脚・脇など体の部位の一般的な説明 | 2〜3ヶ月 |
ここで引っかかってほしいのは、ヒゲだけ幅が4週間から12週間まで、3倍も開いている点です。これは「正解が一つに決まっていない」ことの裏返しなんですね。そして体の部位でよく言われる2〜3ヶ月を、そのままヒゲに当てはめて説明しているサイトもかなりあります。ヒゲと脚では毛の生え変わる速さが違うので、この転用はあまりあてになりません。
短い間隔のほうが毛の減りがよかった、という比較データがある
間隔そのものを比べた研究は多くありませんが、ひとつ参考になるものがあります。2005年に国際皮膚科学の専門誌に載った報告で、800nmのダイオードレーザーを45日・60日・90日の間隔で受けた人を比べたところ、毛の減少率はそれぞれ78.1%、45.8%、28.7%でした。間隔を空けたグループほど成績が落ちています。
6週間は42日ですから、いちばん成績のよかった45日グループとほぼ同じ位置です。
ただし、この研究はカルテを後から見返したタイプのもので、対象はわずか24人。顔だけを調べたわけでもありません。これ一本で「6週が最適」と言い切るのは無理があります。それでも、「長めに空けたほうが効率がいい」という説明を支えるデータのほうが見当たらない、という事実は知っておいて損はないと思います。
「毛周期に合わせないと無駄打ち」がヒゲで成立しにくい理由
この説明が広まった元をたどると、「レーザーが効くのは成長期の毛だけで、成長期は全体の10〜20%しかない」という話にぶつかります。前半は正しいです。問題は、そこから「だから成長期が来るまで待つ」という結論に飛んでしまうところなんです。
ヒゲの毛穴は、全体がそろって同じサイクルを回っているわけではありません。剃った翌日にはもうチクチクする毛と、3日経ってやっと顔を出す毛が、同じアゴの中に混在していますよね。あれが毛周期がバラけている証拠です。そろっていないからこそ、いつ照射しても成長期の毛は一定数そこにあることになります。
「成長期は10〜20%」というのは、1回で全部を仕留められない理由を説明した数字であって、待てば待つほどその割合が増えるという意味ではありません。ここを混同すると、必要以上に間隔を空けてしまいます。
蓄熱式のレーザーだと、さらに周期の影響を受けにくいとされる
メディオスターに代表される蓄熱式は、毛根そのものではなく毛包のバルジ領域を狙う設計です。この方式は毛周期の影響を受けにくいとされていて、クリニックによっては4週間からの案内もあります。ただし方式ごとに間隔を比べた質の高い試験はまだ少ないので、契約前に「自分が受ける機種では最短何週間か」を確認するのが確実です。
予約が取れずに8週、10週と空いてしまったとき、実際に失われるもの
結論から言うと、これまでに受けた効果が消えることはありません。破壊された発毛組織が時間経過で復活するわけではないので、「空けすぎてリセットされた」という心配は不要です。
失われるとしたら、次の2つです。ひとつは完了までのカレンダー上の時間。6週ペースなら1年で8回前後こなせるところが、10週ペースだと5回程度になります。もうひとつは、先ほどの90日グループの数字が示すように、1回あたりの減り方が落ちる可能性です。一度成長期に入った毛が、次の照射を待つあいだに抜け落ちて休止期へ戻ってしまうと、その毛穴はその回も空振りになります。
回数で契約しているプランだと、後者は地味に効いてきます。ただし毛量や毛質による差が大きい部分なので、数回分の遅れで取り返しがつかなくなるようなものではありません。間隔が空いた時期に「毛が戻った気がする」と感じる人も多いのですが、その正体はだいたい別のところにあります。詳しくは髭脱毛したのに毛量が戻った気がするときの見分け方で整理しています。
6週で行っていいかは、日数ではなく鏡で決まる
ここが実務的にいちばん大事なところです。6週経ったかどうかより、肌と毛がどうなっているかで判断してください。
| 6週目の状態 | 判断 |
|---|---|
| 照射した毛のポロポロが終わり、新しい毛が剃れる程度に伸びている | 予定どおりで問題なし |
| まだ毛がポロポロ抜け続けている | 1〜2週ずらすと1回分を活かしやすい |
| 赤み・かさぶた・毛嚢炎が残っている | 予約前にクリニックへ相談 |
| 毛がほとんど伸びてこない | 回数が進んだ合図。間隔を延ばす検討へ |
照射した毛が抜け落ちるのは、だいたい2〜3週間のあいだです。6週目にまだ抜けている最中なら、前回の分が処理しきれていないので、少し待ったほうが次の1回が濃くなります。この抜け落ちのタイミングはレーザーの種類でも変わるので、髭脱毛3週間後に毛が抜ける仕組みもあわせて確認してみてください。抜け方や伸び方には個人差があります。
回数が進むと、6週固定のほうが損になる瞬間がくる
ここを書いていないサイトが多いのですが、6週ペースが向いているのは主に序盤です。
毛が減ってくると、照射のたびに当てられる対象そのものが少なくなります。5回、6回と進んで「言われてみれば、そんなに生えてこないな」という状態で6週ぴったりに行くと、生え揃っていない肌にレーザーを当てることになり、回数だけが1回分消えていきます。減ってきたら間隔を延ばす、というのが回数プランでの基本的な守り方です。
| 進み具合 | 間隔の考え方 |
|---|---|
| 1〜4回目あたり | 6週前後で詰めて進めやすい |
| 5〜8回目あたり | 生え揃いを見ながら8〜10週へ |
| 仕上げ・部分的に残った毛 | 3ヶ月前後まで延ばす判断もある |
回数の減りかたも毛量によって変わるので、目安として見てください。コースに有効期限があるプランでは、延ばしすぎて期限内に消化できなくなる失敗もあります。延ばす判断をするときは、残り回数と期限をセットで確認してください。
6週間ペースで通ったら、終わるまでどれくらいかかるのか
スケジュールが読めると予約も取りやすくなるので、単純計算を出しておきます。
| 回数 | 6週間ペースでの所要期間 |
|---|---|
| 5回(青髭が薄くなり始める人が多いあたり) | 約5〜6ヶ月 |
| 8回(自己処理がかなりラクになるあたり) | 約9〜10ヶ月 |
| 10回以上(ツルツルを狙う場合) | 1年以上 |
実際には後半で間隔を延ばすぶん、これより数ヶ月伸びると考えておくと無難です。必要な回数はもともとの毛量と目指す仕上がりで大きく変わりますし、完全に無くならない毛が残ることもあります。
予定どおり6週で行かないほうがいい状況
日数が来ていても、肌の条件が悪ければずらしたほうが安全です。まず日焼け。肌の色が濃い状態で照射すると、毛だけでなく皮膚側にも熱が入りやすくなります。判断の目安は髭脱毛前の日焼けについての記事にまとめています。
次に飲んでいる薬です。ニキビ治療薬や一部の抗生物質など、光に反応しやすくなる薬があります。前回から薬が変わったなら、予約より先に申告してください。体調を崩しているときや、顔の肌荒れが続いているときも同様です。判断に迷う場合は自己判断せず、医師や施術するクリニックに相談するのが確実です。
次の予約を6週後に入れていいか、どう決めるか
迷ったときは、この順番で考えてみてください。
まず、今の回数帯です。序盤(おおむね4回目まで)なら、6週で詰めて進めるのは理にかなっています。長く空けたほうが効率がいいという根拠は薄いので、予約が取れるなら取っておいて構いません。
次に、前回から6週後の肌の状態です。抜け落ちが終わっていて、新しい毛が剃れる程度に伸びているなら予定どおり。まだポロポロ抜けているなら、1〜2週ずらしたほうが1回分を活かせます。
最後に、残り回数と有効期限です。毛が明らかに減ってきたのに6週固定で通い続けると、当てる毛がないまま回数だけ消えます。逆に延ばしすぎると期限に間に合いません。減ってきたら間隔を延ばす、ただし期限から逆算する、という二段構えで考えると失敗しにくくなります。
毛質や肌質による差は大きいので、最終的には自分の毛の状態を見ている施術者の判断が優先です。カウンセリングでは「自分の毛の減り方だと、次は何週後が妥当ですか」と具体的に聞いてみてください。

コメント